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入れ歯

入れ歯とインプラントの
違いについて

患者様にとっての
入れ歯の魅力とは

  1. 治療期間インプラントは外科的な処置があり治療期間も長いですが、入れ歯は型取り噛み合わせを取るぐらいで、長くても約1ヶ月ほどで作成できます。事前に入れ歯を作成しておき、抜歯してその日に入れ歯を渡す方法もあります。
    また、外科的な処置を行わないので治療のお身体への負担が軽いです。ご高齢の方、持病や顎の状態によりインプラントができない方にも歯を入れる事が可能です。
  2. 値段インプラントは自費治療ですが、入れ歯なら保険の方法もあり治療が安価に済むこともあります。もちろん、見た目や着け心地、噛みやすさなどにこだわるのでしたら自費診療の入れ歯もあります。
  3. 歯を削る量が少ないインプラントほどではないですが、入れ歯も歯を削る量が少ないです。クラスプと呼ばれる横の歯につける入れ歯のバネの厚み分ほどしか削らないので、極めて少ない量で削るのは済みます。
  4. その後の選択肢がある入れ歯かインプラント、ブリッジで悩まれている場合、もしインプラントやブリッジを入れたら入れ歯を入れるメリットは無くなります。しかし、入れ歯を選択して噛み心地や着け心地、着脱の手前が嫌になっても入れ歯からブリッジやインプラントへ移行する事ができます。

    インプラントのお金を貯める時や、迷われて決められない場合は、とりあえず入れ歯を入れて様子を見ることが可能です。

メインテナンスの違いについて

入れ歯は着脱式で、歯を磨く時は外して磨かないといけません。また、入れ歯の下に物が入ったりしやすいのでお食事のたびに外して洗う必要があります。

入れ歯のバネが入る歯は、プラークがつきやすく虫歯のリスクが高いので気をつけて磨いて下さい。入れ歯を洗う時は義歯専用ブラシで汚れを落とし、つけ置きの洗浄剤につけておくと綺麗にできます。

この時、研磨剤が含まれている歯磨き粉は入れ歯に傷をつけるので、歯磨き粉の使用はしないでください。入れ歯の扱い方や入れ歯の掃除の仕方、歯のブラッシングなどは当院でしっかりご説明します。汚れがこびりついた場合も歯科医院で研磨すると取れたりするので対応します。

入れ歯は乾燥すると変化するので、外す際はお水の中につけて保管するようにお願いします。

入れ歯の種類

総入れ歯

総入れ歯とは上下あるいは上顎か下顎のどちらかすべての残存歯が無いもしくはあっても根っこだけの状態の時に作成する入れ歯です。部分入れ歯と違い歯に引っかけるバネがない入れ歯になります。床と呼ばれる歯茎の部分と人工歯から構成されています。

総入れ歯に最適なケースとは

総入れ歯は歯に引っかけるバネがないので、くっつく原理としては吸盤と似ています。入れ歯が粘膜に吸着することで外れないという構造になっています。顎の骨がしっかりある方でしたら、入れ歯の中に空気が入らず吸着します。

また、総入れ歯はお口の頬や唇の筋肉や舌の動きに影響されて動いたり外れたりします。総入れ歯で安定するのは、上顎で歯茎がしっかり残っているケースです。逆に下顎は下や頬の動きによって安定しない事が多いです。

かといって、下顎に総入れ歯を作れないという訳ではないのでご安心ください。入れ歯安定剤などを用いて動きにくいようにすることもできますし、もっとしっかり噛みたい方の場合はインプラントを埋め込み、その上に入れ歯をくっつける事も可能です。

部分入れ歯

部分入れ歯は自分の歯が一本でも残っている場合に適応されます。残っている歯にクラスプ(金属のバネ)をひっかけて安定させる、入れ歯を支える金属が付いている入れ歯です。失った歯の本数によって形や設計が変わってきます。

部分入れ歯に最適なケースとは

歯の欠損はあるが歯が残っていて、入れ歯を支える歯に骨がしっかりありグラグラしていない時に用います。

ブリッジなどで歯を削るのが嫌な場合やインプラントなどの外科処置に抵抗がある方におすすめします。

入れ歯の材質

保険診療の場合

レジン床

医療用のプラスチックを用いて作ります。透明性が高く健康的な歯茎本来の色に近づけます。プラスチックなので、壊れた時や歯茎とのフィット感が悪くなった時に修理がしやすいです。金属に比べて強度は弱いので割れないようにある程度の厚みが必要になってきます。

メリット

・保険診療なので金額が安く済む

デメリット

・保険の場合は、金属のバネになるので笑った時や喋ってる時に金属が目立ってしまう場合がある

自費の場合

金属床

入れ歯の床(土台)の部分が金属でできています。強度が高く、入れ歯を薄く作る事ができます。

メリット

・着け心地の違和感が少ない
・温度が伝わりやすく、特に温かい物や冷たい物の感覚が伝わりやすいので、食べ物の味を感じやすくなる

デメリット

・自費診療なので高価
・金属部分の修理が困難
・金属アレルギーが起きることがある

マグネット

入れ歯をバネで固定する代わりに、磁石と金属で入れ歯をくっつける方法です。入れ歯の裏側に磁石を埋め込み、残っている歯に金属を装着します。残っている歯がない場合は、インプラントでもできます。

メリット

・固定して動かない
・バネが入らないので、見た目が良くなる
・入れ歯の大きさを小さくできる
・固定しているので、残っている歯に負担がかからず、歯がグラグラする事が少ない
・装着、取り外し、お手入れは簡単

デメリット

・病院でMRIを撮ると、磁気による歪みが生じてしまう
・自費治療になることもあり、高価(保険適応もある)

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の金属のバネの部分がなく、審美的に優れている入れ歯です。

メリット

・金属のバネ(クラスプ)がなく、口を開けても目立ちにくく自然な口元に見える
・金属を使わないので、軽い
・装着感がよく、発音はしやすい

デメリット

・自費診療なので、高価
・やや壊れやすく、調整や修理がしにくい

入れ歯作成の流れ

  1. カウンセリング
    どんな入れ歯がいいかお考えを伺います。その後歯周病検査、レントゲンで診断し、最適な入れ歯をご提案します。
  2. 型取り
    入れ歯を作るためのお口の型取りをします。噛み合わせもとるので、必ず上下の模型の型取りをします。だいたい一回ですが総入れ歯など欠損が多い入れ歯でしたら、患者様一人一人に合った型取りの器を作り、精密な型取りをすることもあります。
  3. 噛み合わせの計測
    蝋(ろう)で作った入れ歯の模型を作り、入れ歯の作成のため、上下の歯の噛み合わせをとります。
  4. 試適
    前回取った噛み合わせの器具に人工歯を並べて、入れ歯の試作品を作ります。今作っている入れ歯の設計、噛み合わせが合っているかをチェックします。
  5. 調整
    入れ歯の違和感や痛みなどがあれば調整します。新しい靴と同じで靴づれのように入れ歯が痛くなることもあります。
  6. メインテナンス
    使用していくうちに歯茎が痩せてきたりバネが緩くなってきたりするので3〜6ヶ月ごとに調整をします。